医療的ケアが必要な患者の移動に同行し、目的地まで安全に送り届ける役割を担うのがエスコートナースだ。搬送看護師とも呼ばれるこの職種は、国内の長距離移動だけでなく海外からの搬送も担当するため、広範囲な地域が活動の舞台となる。旅先や遠方の赴任先で予期せぬ怪我や病気に見舞われ、自力での移動や帰国が困難になった人々の元へ駆けつけ、希望する医療機関や自宅まで付き添うのが主な仕事だ。慣れない土地や異なる文化の中で心身ともに衰弱している患者にとって、専門知識を持った看護師が側にいることは大きな心の支えになる。
この業務を全うするためには、医療処置だけでなく現地の医療従事者と円滑に連携するための高い語学力が不可欠だ。また、搬送される患者の疾患は多岐にわたるため、特定の診療科に偏らないオールマイティーな看護知識と的確な対応力も欠かせない。さらに、長時間のフライトや移動を伴うため、過酷な勤務に耐えうる強靭な体力と精神力も必要だ。
エスコートナースとして活動を始めるには、専門の派遣会社に登録したり、国際医療に強い組織から業務を委託されたりする方法がある。現在はまだ一般的な認知度はそれほど高くないが、企業のグローバル化や海外渡航者の増加に伴い、今後の需要はさらに高まっていくと予想される。常勤が少なく収入が不安定になりやすい点や、移動の連続による肉体的な負担が大きい側面もあるが、特別な経験を積んで自らの視野とスキルを大きく広げられる仕事だ。世界を舞台にしてグローバルに活躍するエスコートナースに挑戦することは、自身の新たな可能性を切り拓く契機となるだろう。